オフロードバイクツーリングの時。

3pt   2017-04-12 19:42
都市伝説・・・奇憚・・・blog

20170412002.png102:本当にあった怖い名無し:2011/07/19(火)21:35:30.32ID:BbnkMxRy0
これは俺が2年前実際に体験したこと。
大学時代の友人A・Tと3人でG県の山間部に1泊2日でフロードバイクツーリングに出かけたんだ。
俺はまだ独身だが、他の2人は結婚して子供もいる。
家庭もちでバイクに乗り続けるというのは家族がよっぽどでないとかなかなか難しく、今までに何度も誘っていたのだがなかなかスケジュールが合わず、気づいたらお互いもう40に手が届こうという年齢に。

たまにメールをすれば
「3人でまた走りたいな」
なんてバイクの話題は出ていたが、このままでは
「またいつか…」
みたいな社交辞令で終わりそうだったので、今回は俺が強引に2人のスケジュールを合わせてやっと実現した旅だった。



106:本当にあった怖い名無し:2011/07/19(火)21:39:32.01ID:BbnkMxRy0
久しぶりに気心の知れた仲間とのツーリングという事もあって気分は最高だった。
最近3人目の娘が生まれたAはこの日のために新調したウェアで自慢げに自分のよき父ぶりを話していたり、3人の中でも一番腕のいいエースライダーだったTは手入れを欠かさない自慢の愛車に久しぶりに火を入れる事ができご満悦な表情。

俺はというと3人の中では一番バイク経験が浅く、いつも2人に強引に誘われて走っている時も2人に付いて行くだけで必死という感じだったが、今では俺が一番バイクに乗る時間が取れるというのは皮肉と言えば皮肉だった。



107:本当にあった怖い名無し:2011/07/19(火)21:42:03.79ID:BbnkMxRy0
お互い仕事を抱えた身だし、本格的に山へ入る事も久しぶりな事。
そのため最初は
「久しぶりのバイクだから」
とか、
「最近腰が痛いから無理はできないよ」
なんてやけに年寄りじみた事を言い合っていた俺たちだったが、最後のコンビニを出発して段々と山に分け入り未舗装道路を小一時間ほど走破した頃にはバイクの勘も少しずつ戻り、3人でモトクロスレースに参戦していた時の興奮や思い出に包まれ知らず知らずアクセルを開ける手にも力が入っていった。



108:本当にあった怖い名無し:2011/07/19(火)21:46:55.23ID:BbnkMxRy0
その時走っていたG県とN県の県境を走る林道は日頃の仕事や些細なストレスを完全に忘れさせるだけの迫力と魅力があり、初秋の晴天にも恵まれた俺たちは、時間を忘れて枝分かれする何本もの大小の林道を夢中で散策していた。
しかし楽しい時間はあっという間に過ぎ去り、まもなく日没の気配。

20歳代の頻繁にツーリングに出かけていた頃だったら慌てないように早めにテントの設営地点を探して日が傾いた時にはテントサイドで酒を飲みながら夕食作りに取り掛かっている頃だが、今回はやっと互いの仕事や家庭の事情を調整したツーリング…
そんな事情もあってか他の2人も時間が惜しく、なかなかスロットルを戻す気にはなれなかった。



109:本当にあった怖い名無し:2011/07/19(火)21:54:23.90ID:BbnkMxRy0
地図で確かめてはいないのでハッキリとした場所はわからないが、標高や周りの山並みから想像するにわずかにN県に入ったあたりと思われる場所に差し掛かった時には、西の空は残照を残すのみとなり辺りは暗くなり始めていた。
こうなると路肩の視界も急速に曖昧になる。

折り合い悪く路面もガレ始めた(路面が土ではなく拳大の石で覆われた路面の事)ため、ライディングテクニックが未熟な俺は軽い恐怖を感じていた。
しかし強引に2人を誘った立場もあり、さすがに俺から泣き言を言い出すのも憚れたが実はこのとき他の2人も切り上げるタイミングを見計らっていたらしく、程なく先頭を走っていたエースライダーのTがクラクションを3回鳴らして停止の合図を出したときは正直ホッとしたのを覚えている。



113:本当にあった怖い名無し:2011/07/19(火)22:07:20.14ID:BbnkMxRy0
懐中電灯で地図を確認するとメインルートと山頂に向かって延びるピストン林道(道が途中で無くなっており入ったら戻らなければならない林道)の入り口と思われる分岐場所だった。ここで場所が曖昧なのは辺りの地形が薄暗くてわかり辛くなっていたのと、ピストン林道らしい細い筋があるのだが地図には載っておらず、似たような地形だと多分ここだろうという位にしか判らなかったからだ。

メインルートは谷間に向かう下り道でまだまだこの先ガレ場が続きそうな雰囲気、一方のピストン林道はゆるやかに山頂に向かう登り路だが土と小石の締まった路面に変わっており地図には載っていないが滝の様なサラサラという水音も幽かにしていた。



114:本当にあった怖い名無し:2011/07/19(火)22:08:56.90ID:BbnkMxRy0
下りのガレ場はフロントタイアを取られたら即転倒につながるため神経を使うし、路肩が曖昧になっているガードレール無しの下りをタラタラ走るよりは少し登っても締まった路面を安全に走り、開けた場所があればすぐテントを設営する方が安全だろうというのが3人の共通意見だった。

またよく見るとこの分岐点には小さな石柱が建っており地図には載っていないが昔は人の往来があった路かもしれない、たまに山中にある夏の降雨がある時だけできる小さな沢があるかもしれない。そうこう考えている間にも辺りはどんどん夕闇に包まれておりもはや地図は役には立たない。
薄暗くなった山の中でバイクのヘッドライトだけを頼りに俺たちは登りのピストン林道に入っていった。



115:本当にあった怖い名無し:2011/07/19(火)22:11:35.72ID:BbnkMxRy0
この時俺は少し違和感みたいなものを感じていた。視界がやたら霞む感じがするからだ。
古いゴーグルを使っていると表面に細かい傷が付いて、ナイトランの時によく霞む事はあるが、今感じているのはそれとは少し異質な感じがしていた。
妙に周りの景色が判りづらい感じと言ったらいいのだろうか。

暗くなっていたので当たり前だと思われるかもしれないが本当に真っ暗だとヘッドライトに映し出される景色はスポットライトの様に陰影が強調されてむしろクッキリと見える事が多いのだがここは違った。
また止まって確認していないのでなんとも言えないが辺りに生えている木々の植性も微妙に違っている様だった。



116:本当にあった怖い名無し:2011/07/19(火)22:13:02.40ID:BbnkMxRy0
今まであったのは常緑の針葉樹だったのに比べてこの林道に入った途端に落葉種の広葉樹に変化していたからだ。
路面に落ちている落葉も先ほどのメインルートと比較すると広葉になっており、少しきついコーナーになると葉っぱに乗るのかリアタイアが滑る様な挙動を感じる。
後で話し合ったところ、不思議な事に3人が3人ともこの林道に入った時に少し違和感を感じていたらしい。
少なからず感じる違和感の中を慎重に走っていたこの時に、俺たち3人にアクシデントが2つ発生した。



117:本当にあった怖い名無し:2011/07/19(火)22:20:16.05ID:BbnkMxRy0
先頭を走っていたTが何でもない右コーナーの入り口で転倒をしたのだ。
3人の中で一番ライディングテクニックに秀でているTが転倒するのは非常に珍しい事だった。
常に先頭を走るTはレースではなく後ろに仲間がいるツーリングの時は絶対に無理はしない、後続を巻き込む様な転倒を先頭のライダーは起こしてはいけないと常々言っていたそのTが
平凡なコーナーに差し掛かった途端に転倒したのだ。

これは珍しいアクシデントだが、ここで後続していたAにもアクシデントが発生した。
ヘッドライトが突然消えたのだ。舗装路を走るマシンにはあまり起こらないが未舗装のダートを走るオフロードマシンは振動が激しいため、時々ヘッドライトの線が切れたりソケットの接触不良が起きてライトが消える事がある。
転倒とヘッドライト消滅・この2つがほぼ同時に発生したのだ。



118:本当にあった怖い名無し:2011/07/19(火)22:23:37.57ID:BbnkMxRy0
先頭を走っていたTは
「何が起きたのか全く判らなかった、絶対に枯葉に乗ってコケたんじゃない。まるでオイル面に乗った様にというか…とにかく何の衝撃もなくやられた、気が付いた時は転倒アングルでもう立て直す事は諦めたよ。綺麗にこける事ができただけでもラッキーだ。旅先で怪我しちゃったら面倒だからな。それにしても…」
と納得できかねる表情で転倒したバイクを起こした。

ヘッドライトと左右のバックミラーが割れており、バックミラーステーがあらぬ方向を向いている他はバイクにもライダーにも大きなダメージが無かったのはTの言うように不幸中の幸いではあった。



119:本当にあった怖い名無し:2011/07/19(火)22:26:07.91ID:BbnkMxRy0
リアタイアが滑る事はオフロードを走っている時はよくあるのだが、ライダーに怪我は無いのにヘッドライトと両側のバックミラーまで割れるというのはレアな現象だと言えた。
それにヘッドライトが割れたのは以降の夜間自走をかなり制限される事を意味していた。



120:本当にあった怖い名無し:2011/07/19(火)22:28:20.12ID:BbnkMxRy0
そして後続のAはというとヘッドライトが消えて突然前が真っ暗になった事から最初は自分が転倒したのかと思ったらしい。

ハンドルに衝撃を感じてTが消えたのがほぼ同時だったからだ。
何とかパニックブレーキでフロントタイアがロックする寸前で停車に成功したのでもらいゴケをせずに済んだと笑って話していたが、消えたヘッドライトを懐中電灯で確認したAの表情はにわかに硬くなった。
Tが巻き上げた飛び石でヘッドライトが割れたと思っていたAだったが、ヘッドライトのカバー自体には異常がないのに中の電球だけが粉々に砕けていたからだ。

走行中の振動でソケットが緩み、電球が中で踊ったために割れたのだろうとAは結論づけたが、これまた不可解なアクシデントに首を捻っていた。



121:本当にあった怖い名無し:2011/07/19(火)22:32:33.15ID:BbnkMxRy0
3台中2台のバイクのヘッドライトが切れた状態でこのまま走るのはさらに危険が増すため俺たちはここら辺でテントを設営できる場所を探してそこに泊まろうという事になった。

この場合で一番戦闘能力が高いのはTだがヘッドライトが壊れていて自走できないし、俺のバイクを貸しても良かったが転倒したばかりで無理はさせられない。

同様にAのバイクもヘッドライトが点かないため自走はできない。
よって斥候は必然的に一番未熟な俺が行く事になった。
腕に自信がないためもうすっかり暗くなった夕闇の単独林道走行に不安を感じずにはいられない。
それにこの林道はただでさえ違和感を感じているのも
その不安に拍車をかけていた。



122:本当にあった怖い名無し:2011/07/19(火)22:41:35.75ID:BbnkMxRy0
突然植性の違うエリアというだけでなく、何とも表現できない違和感。
沢の音は林道の入り口と比べるとやや大きくなった印象を受けるがまだ滝は姿を見せない。

相変わらず辺りは妙に霞むような雰囲気…そんな中俺は一人テントを設営できるスペースを求めて荷物を二人に預けてバイクで走り出した。

この後俺はこの二人とはまた違う現象に見舞われる事となる。

連投ですみません。
もう少し続けてもよいですか。



123:本当にあった怖い名無し:2011/07/19(火)22:44:03.06ID:idusN/h50
最後までお願いします



126:本当にあった怖い名無し:2011/07/19(火)22:44:44.58ID:crsvBukh0
面白い。支援。

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